庄川木地の製作工程

庄川挽物木地は、今も昔ながらの方法で、人の手によって作られています。
まずは、原木を仕入れて乾燥させ、白木地に仕上げるまで約1年。ものによってはさらに長い歳月を要します。このように手間暇かけて作られているのは、木という素材の持ち味を十分に生かすためです。

庄川挽物木地は、横ロクロを使い、横木板を材料にして挽き物をするのが特徴。
横ロクロとは、木地を挽く職人の右方向にロクロを取り付け、回転軸と平行して座って挽く方法のことです。職人は、ロクロを据え付けた同じ高さの床に直に胡座をかき、膝で鉋枕(かんなまくら)の足をおさえ、切削刃物を両手に鉋枕を始点に操作して作業をしていきます。ロクロの回転数は毎分600~3000回と、他産地の2~3倍の速度ですばやく削っていきます。
挽き方は、右手に鉋の柄尻を握り、手ぶれしないように手のひらを上に向け、右肘を右脇にしっかり固定します。左手は、鉋を行下、前後、左右自由自在に動かしやすいように軽く握ります。鉋と挽く物との角度はほぼ20度で挽いていきますが、曲面に合わせて、指の位置、手首、肘の方向を変えながら、状態を左右に屈伸させて挽きあげます。

 

 

①原木選定

原木の状態を外面から判断して、
製品の種類、寸法に合ったものを選定します。

②板びき

原木を使用寸法の厚さに板びきします。
製材所に委託することが多いです。

③板づみ

製材した板材を6ケ月から1年ほど
板づみにして自然乾燥します。

④木取り

描かれた円よりやや大きめに
外側を丸のこ機で引落とします。

 

⑤荒挽き

木取りしたものを大まかな形に荒挽きします。

⑥乾燥

荒挽きにした材料を乾燥室に入れ、
水分8%までに火力乾燥します。

⑦仕上げ

十分乾燥戻(もど)しした材料を外仕上げ、
中仕上げの順に木地製品にします。

 

⑧拭漆塗

仕上がった白木地に、生漆を数回塗り重ね、
目のきれいな商品にします。

 

火造り(鉋造り)

鉋(かんな)は木地師の付帯技術であり、
自分の使いやすいように火造にて作ります。
 

 

 

 

 

 

 

 

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