庄川挽物製品のご紹介

庄川挽物木地は、一緒に暮らす仲間。

 

原木を仕入れて乾燥させ、白木地に仕上げるまで約1年。ものによってはそれ以上の歳月を要します。
天然の木の魅力は、木によって持ち味が異なることにあります。年輪がさまざまな形で現れ、その表情は変化に富んでいます。そうした木の温かみを大切に、真心込めた製品づくりを目指し、日々技術を磨き続けています。
一つひとつが職人による手作業で作られる製品は、横ロクロを用いて横木板を加工することで、年輪の形を活かした原木の木目の美しさと、長持ちする丈夫さを兼ね備えた仕上がりとなっています。
特に白木地製品は、空気に触れているだけで、時とともに色合いが変化し、味わいが増していくため、使うほどに愛着が湧いてきます。時間をかけて、自分の手でゆっくり育てられる、世界でただ一つの器といえるでしょう。
お手入れ方法は、直射日光を避け、日頃からホコリを拭き取る程度に空拭きすれば十分です。
昭和53年には、経済産業大臣指定の「伝統的工芸品」としての指定を受けました。ぜひ実際に見て触れて、その存在感を味わっていただけたら幸いです。

 

 

白木地(しらきじ)製品の魅力

 

庄川挽物木地の中で特徴的なもののひとつは、白木地製品です。木地は、一般的に漆などの塗装が施されて初めて製品になります。ところが白木地製品は、塗装されずに木地のまま製品となります。
木地を丁寧に磨いた製品は、空気に触れているだけで時と共に色と艶が変化していきます。写真の木地は5年ほど前に作られたもので、そのまま空気に触れさせていただけで、ご覧のように変化しました。
また、変化を人為的に早める手法として、茶殻を使う方法があります。毎日使用するたびに茶殻を布に包み、茶渋を染み込ませるように拭き続けると、深い色と艶が出てきます。3カ月ほど続けると、漆のような色と艶になり、格調高さと重厚感が増すといいます。自分の好みで変化をつけられるこの方法、皆さんもぜひひとつ手に入れて試してみませんか。

 

 

主な製品
茶盆、茶托(ちゃたく)、菓子器、椀、茶櫃(ちゃびつ)、茶筒、銘々皿、盛鉢

 

技術・技法
(1)横ロクロ及びぜんまい鉋を用いる荒挽き及び荒仕上げ削りをすること。この場合において、自然乾燥及び強制乾燥をすること。
(2)横ロクロ、からかさ鉋及びうす刃を用いる仕上げ削りをすること。
(3)手作業による仕上げ磨きをすること。

 

 

原材料
木地は、トチ、ケヤキ、マツ、サクラ、イヌエンジュ、クワ、カツラ、セン、イチョウ又はこれらと同等の材質を有する用材とすること。

 

 

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