中小企業者の経営判断に役立つ経営指標情報
(これからの景気を占う経営指標)
全業種共通経済指標
国内総生産(GDP)
国内で新しく生み出される生産物やサービスの金額の総額(付加価値)で、国の経済の大きさを表す指標の一つとして使われています。そのトレンドによって成長の度合や景気の後退局面の判断に役立てます。(年4回公表)
日銀短観
日本銀行が直接企業に対して、景気についての調査を実施するものです。企業が自社の業況や経済環境の現状・先行きについてどうみているか、といった項目に加え、売上高や収益、設備投資額といった事業計画の実績・予測値など、企業活動全般にわたる項目について調査しています。その結果を短期間で知る事が出来ると言う特徴があります。(年4回公表)
景気ウォッチャー調査
内閣府が2000年1月から毎月実施している景気動向調査。生活実感としての景況感を調査するのが狙い。具体的にはタクシーの運転手、小売店の店長、娯楽施設の従業員、自動車ディーラー、派遣従業員、設計事務所所長などに協力してもらい「景気ウォッチャー」に任命。肌で感じる景況感を調査する。調査内容は3カ月前と比較した景気の現況、2~3カ月後の景気先行きなどを5段階評価で回答してもらい、指数化したものです。その結果を迅速に知る事が出来るのが特徴です。(毎月公表)
雇用関係指標
〈完全失業率〉とは、労働力人口(15歳以上の働く意欲のある人)のうち、完全失業者(職がなく、求職活動をしている人)が占める割合で、雇用情勢を示す重要指標のひとつです。総務省が「労働力調査」で毎月発表しています。完全失業者数を労働力人口で割って算出し、数値が高いほど仕事を探している人が多いことを示します。
〈有効求人倍率〉とは、雇用動向を示す重要指標のひとつで、「新規求人数」が増えます。それは景気に先行して動くので先行指数。労働需給の面から、労働市場の好不況は景気にほぼ一致して動くので、「有効求人倍率」は一致指数。景気が良くなると収入が増え、消費が活発化します。逆に、景気が悪くなると収入が減り、消費が減少するし、数値が高いほど仕事を探している人が多いことを示します。(ハローワークより毎月公表)
コールレート翌日物
日本の金融機関が銀行間で行う短期資金のやり取りにおいて、翌日に返済を行う時にかかる金利のことです。金融危機などの異常時は高くなる傾向があります。(日本銀行が毎月公表)
新発10年物国債利回り
新しく発行された、発行から償還までの期間が10年の国債が市場で流通している利回りです。国債は国が発行する債券で信用度が高く売買も活発なので、現在は長期金利の指標として利用されています。このトレンドにより長期金利の傾向がわかります。
工業建設系経済指標
鉱工業生産指数
鉱業と製造業が生産をしている量を指数として表わしたものです。ここでいう鉱業とは、金や銀、鉄、石炭などを産出する業種です。鉱工業生産指数は鉱業と製造業の大部分を反映しているため、生産動向を読む上での重要な指標と言えます。(経済産業省より毎月公表)
機械受注
内閣府が機械メーカーの受注額を集計した統計です。これをることで、企業の設備投資の動向をチェックする事が出来ます。景気の先行を示す重要な指標として注目されています。(毎月公表)
新設住宅着工件数
新しく住宅を作った件数の伸び率を前年比で表しています。この数値が高くなると、景気が回復基調になっている事がうかがえる指標とされています。(国土交通省毎月公表)
国際収支
「経常収支」「貿易・サービス収支」「直接投資(資本収支)」の3つに分けられます。日本が国としてうまく行っている場合は合計値が黒字になります。黒字が大きすぎると円高傾向となる場合が多い指標として注視されています。(財務省発表毎月公表)
商業サービス系経済指標
消費者物価指数(CPI)
総務省が調査する全国世帯(消費者)が購入する各種の商品(財やサービス)の物価変動を測定するものです。この数字が上がると物価上昇(インフレ)傾向にあると言えます。(毎月公表)
消費支出
総務省が調査する家計の消費(生活費)が増えているかを見る指標です。これが上がっていれば、財布のヒモが固くなっていると言えます。(毎月公表)
小売業販売額
業種ごとに(各種商品小売業)(織物・衣服・身の回り品小売業)(飲食料品小売業)(自動車小売業)(機械器具小売業)燃料小売業(その他小売業)に区分される。この時、医薬品や化粧品の小売業は(その他小売業)に含まれる。また(各種商品小売業)というのは百貨店などのような総合的な小売業のことである。なお、「景気の基調判断」などで知られる月例経済報告の中でも、小売業販売額の増減について言及されるのが通例となっている。(総務省毎月公表)