呉羽の昔ばなし

機織りをひろめた姉倉比売

機織りをひろめた姉倉比売挿絵1

トンカラリ トンカラリ
今日も、軽やかな音が聞こえます。姉倉比売が、機織りをしています。八購布という麻布を織っています。姉倉比売に機織りを教えてもらっている娘たちも、織っています。

♪ここは、いずこぞ大竹野よ 機を織ります わたくしは
 みんなきれいにするために 心もともにトンカラリ
 トントンカラリ♪ トンカラリ♪

機織り歌にさそわれて、瑠璃色に美しく輝く蝶が、舞ってきます。赤や黄のいろどり華やかな蝶も舞ってきます。たくさんの蝶が、群れになって舞ってきます。

機織りをひろめた姉倉比売挿絵2

♪比売さま比売さま、お手伝いします糸つむぎ
 赤青黄色の糸つむぎ 布も織りましょ ごいっしょに
 きれいな織物つくりましょ
 トントンカラリ トンカラリ♪ トントンカラリ トンカラリ♪

すてきな蝶は、どこから舞ってきたのでしょう。蜆の森からです。森には、蜆の貝がらがたくさんあります。蜆の貝がらが、蝶になって飛んできたのです。蝶が舞う日は、布がたくさん織りあがります。姉倉比売は、蜆の蝶を大変かわいがりました。

ある日、姉倉比売は、お里の船倉山に帰ることになりました。いよいよ、大竹野を離れるとき、比売は願いました。
「お里の船倉にも、こんなにすてきな蜆がありますように」と。

機織りをひろめた姉倉比売挿絵3

機織りをひろめた姉倉比売挿絵4

舟をこいで川を上り、山道をたどって、船倉山に着きました。すると、大竹野の蜆も、蝶になって飛び立ち、船倉山でまた蜆になりました。

おはなしの舞台

大竹野は、今の呉羽町一帯、船倉山は上新川郡大沢野町にあり、どちらにも姉倉比売神社がある。姉倉比売にまつわる話は、この他にもたくさん残されている。文中、最初の機織り歌は、同神社記による。

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