呉羽梨ことはじめ
▲土池弥次郎の碑
秋の味覚の王様「梨」が初めて呉羽に登場したのは、今から80年以上も前のこと。
当時、呉羽は水の便が悪く、少しの日照りで田んぼがすぐに干上がってしまう土地でした。 誰よりも郷土愛が強く、農業を愛していた土池弥次郎は「なんとか豊かな村にできないものか」とヒマを見ては全国を尋ねてまわりました。 そこで、弥次郎の目にとまったのが「梨」。東京から青梨を持ち帰り自分の畑に植えてみました。
苗はすくすく成長し、4年程で実をつけました。しかし、この品種はあまり美味しくない上に、害虫に弱くとても売り物にはなりません。 それでも、弥次郎は決してめげません。次は「長十郎」という赤梨の苗を取り寄せ、栽培を始めました。幾多の苦労を重ね、数年後、木にはたわわな果実がたくさん実りました。今度は味も歯ざわりもよく、売り物にしたら大ヒット間違いなしです。 弥次郎のすすめで、梨を作る人が一人、また一人と増えていきました。 その後も、病害虫の大発生で、梨が全滅したりもしましたが、農薬のまき方に工夫を施すなど梨づくりはどんどん本格的になっていきました。 これが呉羽梨のおこりです。
今では、梨の品種改良がどんどん進み、長十郎に変わって「幸水」が呉羽梨の主力品種となってきました。しかし、どれだけ月日が流れても、弥次郎の残した梨への情熱は呉羽の梨農家に今も受け継がれています。
梨のおいしさ新発見!呉羽梨づくしMAP
呉羽梨を使用したお菓子などの加工品と、その取扱店舗をご紹介する地図ができました。ぜひこの地図を片手に、ひと手間かけた呉羽梨の美味しさを楽しんで下さい。
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土池弥次郎のエピソードのほか、ホームページに掲載中の昔ばなしも含む、呉羽に伝わる伝説や歴史上のことがらを、12篇のお話にまとめました。呉羽のぬくもりが一冊にまとまっています。(500円)