あるとホッとする置き薬
柳行李の中を覗いてみよう

今でこそ、売薬さんは車やオートバイを使ってそれぞれの家庭を訪問していますが、その昔は重い荷物を背負って全国各地を歩いて回らなければなりませんでした。そのため、売薬さんは荷物の持ち歩きに便利なようにさまざまな工夫をしていました。そのアイデアの最たるものが柳行李(やなぎごおり)です。


柳行李の秘密  


柳行李
行李は五段に重なるようになっており、一番上の段には桐箱を入れ、その中に懸場帳、そろばん、筆記用具、財布などをしまっていました。二段目にはお客さんへのお土産品、三段目にはお客さんが使わなかった古いクスリ、そして四・五段目にはこれから預ける新しいクスリが入れられていました。一番下の段にはクスリらしい匂いが強く出る「麝香」を入れておく売薬さんもおり、売薬さんが玄関に入ってくるだけで、クスリの匂いが家中に立ち込めました。


そろばん・筆記用具

お土産


薬袋


売薬さんのお土産  


紙風船
売薬さんはお客さんの家を訪れるとき、いろいろなおみやげをもっていきました。
年に一回の売薬さんのお土産に心をときめかせた子供もたくさんいたそうです。
特に有名なのが紙風船。お客さんの子供を大切にした売薬さんは柳行李をあけると、まず紙風船を子供たちにプレゼントしました。そのため、子供達の間で大変な人気者となり、売薬さんを見かけた子供達が、その後をゾロゾロとついて行く光景が大正、昭和にかけてあちこちで見られました。


風船

売薬版画

心のもち方